コレステロールは悪玉でない!
コレステロールは悪ではない!
がんや自殺対策のために、コレステロールを増やしたほうがいい、という話です。
アメリカは心筋梗塞が死因の第一位ですから、心筋梗塞を減らすことが医療政策の一番重要な点とされています。
心筋梗塞を滅らすために循環器内科の医者は、肉の摂取を減らし、コレステロール値を下げるように指導しました。
日本とアメリカでは食習慣も主たる死因も違うにもかかわらず、日本の医者はアメリカのまねをして「肉を減らそう」「コレステロールを下げよう」と主張しました。
そのためコレステロールが目の敵のようにされてきました。
コレステロールは心筋梗塞のリスク要囚ですから、コレステロールを減らせば心筋梗塞が減るのは確かです。
しかし、コレステロールには別の一面があります。
コレステロール値が高いほど、がんが少なくなるというデー夕があるのです。
ハワイで調査した結果、コレステロール値が高くなると虚血性心疾患(心筋梗塞)のリスクは高まりますが、逆に、がんのリスクは減っているというのです。
その理由についてはまだ解明されていませんが、コレステロールは人間の細胞膜に使われている成分ですから、細胞分裂や免疫機能との関連があるのではないかと考えられます。
このデータから推測できることは、
コレステロールはがんのリスクを減らしてくれる可能性があるということです、
コレステロールはうつ病と関係していることもわかってきました。
65歳以上の男性 195名を対象にして、コレステロール値とうつ病の関係を調査したものがあります。
これによると、コレステロールが高い層では、二年後にうつ病の改善が見られたのに対して、コレステロールが中、低の層ではうつ病はむしろ進行しています。
コレステロールがうつ病を抑制する可能性があるというデータになっています。
うつ病は脳内のセロトニンという神経伝達物質の不足と関係していることがわかっています。
コレステロールは、セロトニンが脳の神経細胞に取り込まれるのを手伝う役割をしていると考えられています。
コレステロールが高い人は、
心筋梗塞のリスクは高くなるけれども、
かんのリスクとうつ病のリスクは減る可能性があるということです。
日本人の死因の第一位はがん(悪性新生物)で、死亡総数に占める割合は28.8%です(平成25年人口動態統計による。以下同)。
第二位は心疾患で15.5%(このうち、急性心筋梗塞とその他虚血性心疾患の割合は三分の一程度)、第三位は肺炎で9.7%、第四位は脳血管疾患で9.3%です。以下、老衰、不慮の事故、自殺などが続きます。
日本人の三割くらいはがんで死亡しており、心筋梗塞と脳梗塞で死亡する人を合わせた
数の倍くらいです。つまり、日本は「がんで死ぬ国」なのです。
さらに言うと、20代、30代は、男女ともに自殺が死因の第一位です。
自殺はうつ病と密接に関連をしています。
それらを考慮すると「コレステロールを減らそう」という考え方は日本の実状にはまっ
たく合っていないことがわかります。
がんで死ぬ人が多いのですから、コレステロールが高めのほうががんを抑制できる可能
性が高くなります。
また、若者の自殺を防ぐには、自殺の原因の一つであるうつ病を減らさなければなりませんが、コレステロールが高いほうがうつ病が減る可能性があります。
一方、欧米と比べて心筋梗塞で死ぬ人は少ないですから、
無理にコレステロールを下げる必要性はあまりないと言ってもいいでしょう。
つまり、コレステロールを下げることは、アメリカ人の寿命を延ばすのには役立ちます
が、日本人の健康を守り、日本人の寿命を延ばすことにはつながらない可能性が高いということになるのです。
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