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TISOKU

ゆっくりカタツムリのように。そこから世界が広がるはず。

AI研究。出遅れている日本。

世界はいま人工知能(AI)の研究にしのぎを削っている。

 

日本でもAIに関するニュースを目にしない日はない、といってもいいくらいだ。
一見すると国内の研究も進んでいる感じなのだが、実態はどうなんだろう。

 

ようやく日本に新たなAIの研究拠点といえる理化学研究所「革新知能統合センター」なるものが出来たというのだ。

 

同センター長は  


「現実には世界に大きく遅れている。周回遅れと言ってもいい厳しい状況だ」、

といい


「例えば、今のAI研究ブームにつながった『機械学習』という言葉は、欧米ではすでに2000年頃には産業界に浸透していて、いま日本がやろうとしている研究を米国のIT企業は15年前に始めていた」

 

というのだ。
  
昨年12月にスペインで開かれた機械学習に関する世界最大の国際会議に、グーグルやアマゾン、フェイスブックなどの米IT企業はそれぞれ何百人も送り込んできた。


しかし、日本からは数えるほどしか参加していない。
そもそも 国際レベルで通用する日本の研究者を全員集めても50人程度しかいない。

論文の数も世界全体の2~3%に過ぎないのだ。

 

ビッグデータと呼ばれる大量のデータを使う深層学習の研究は、処理速度が速い高額なマシンをどれだけそろえられるか、予算規模での勝負になっているという。


ITビジネスに成功して、一企業が年に数千億円を投じる米国に対して、日本は新センターの新年度予算案が約30値円だという。差は広がる一方なのだ。

 

AIの本質はコンピューターのアルゴリズム(計算手順)であるのに、日本人にはどうしても鉄腕アトムのイメージが強い。意識を持ったアンドロイド(人型ロボット)のイメージなのだ。

 

だから、自動運転や画像認識などを可能にする『ディープ・ラーニング=深層学習』の論文が出た06年当時、アンドロイド好きな日本の人工知能研究者の多くは、ハード面とセットで実用化する研究に傾斜してしまい、数学的な要素の強い、こうした新しいアルゴリズムの研究に注目しなかったのだ、という。

 

機械学習の若手研究者は国内の研究機関にポストがほとんどなく、修士課程の学生も進学せずに就職するケースが多かった。


一方、米国ではグーグルなどがこの10年間、若い理論研究者を好待遇で大勢迎え入れて深層学習の新技術を生み出し、AI研究の最先端を突っ走っている。

 
まず日本は、現状を正確に認識しなければならない、ということだ。
米企業と同じ土俵で競争するのは難しい。

 

しかし日本にも少数ながら優れた理論研究者がいる。
個人の勝負なら、一発当てて世界をひっくり返すことは可能なのだ。

 

深層学習を使ってトップ棋士を破った囲碁AI『アルファ碁』を開発したのも数人の天才だった。
今の深層学習の技術はまだ万能ではなく、解決できていない課題は残っている。

 

新センターは「一発逆転」を狙って基礎研究に力を入れていく、という。
予算が少なくてすむ基礎研究であれば世界に勝てるからだ。


また、iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究や、青色発光ダイオードに代表されるモノ作りなど、日本が誇る分野にAIを活用する応用研究も進めたい、としている。

 

この分野の研究の主役は大学院生や30歳代のポスドク(博士研究員)である。
新センター発足によって少なくとも10年間はそれなりの数の研究職ポストを用意できる。


研究者を目指す学生たちに大きなメッセージになる。

「とにかく今からでも研究のすそ野を広げて優秀な人材を育成していかないと、10年後には日本にAI研究は何も残らない」


本気で、人材育成に踏み出さないとたいへんなことになるのだ。。

 

関連参照:ロボット知り始め