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ゆっくりカタツムリのように。そこから世界が広がるはず。

フォルクスワーゲンの排ガス不正問題の行方

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正は、同社の信頼を失墜させ、世界で責任追及の動きも広がってきた。

私はこの方面はまったく素人で不案内なのだが、新聞に記事などを読んでまとめてみた。

「実際の道を走行してみたらわかった」というところにポイントがある。

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最近の自動車は電子部品の塊だ。


部品に付けた多くのセンサーが集めた情報から、制御コンピュータ(ECU)がエンジンの状態などを判断し、滑らかな運転や燃費効率のよい走りを実現している。
 
人間の頭脳にあたるECUには、それを動かす多くのソフトウェアが組み込まれている。

どのようなタイミングで、燃料をどれぐらい噴射するのか、といったことを瞬時に計算し、エンジンを動かしているという。

 

例えば、排ガスに含まれる酸素の濃度をセンサーがとらえ、酸素量が多ければ、エンジン内で十分に燃焼していないと判断し、燃料を多く噴射する。

逆に、排がベス中の酸素量が少なければ、噴射する燃料を減らすなどして、効率の良い燃焼状態に近づける。ECUは排ガスなども制御できる。

 

不正を明らかにした米環境保護局(EPA)によると、VWは[無効化機能」と呼ばれる不正なソフトをECUに組み込み、排ガス中の有害物質の量などを調節していたのだ。

米EPAによると、VWは、自動車の制御コンピューターに不正なソフトウェアを組み込み、排ガス試験の時だけ、有害物質を取り除く浄化装置がフル稼働するようにしていた。

 
具体的には、制御コンピューターは、

①ハンドルの動き
②スピード
③エンジンの稼働時間や回転数

などを自動的に分析し、試験中の『テスト走行』だと判断すれば浄化機能を高めていた。

 

そうすると、燃費は少し悪くなるが、排ガスに含まれる有害物質が減り、試験に合格できる。

逆に、「通常走行」時と判断すれば、浄化装置の働きを弱めていた。
燃費は良くなり、浄化装置なども長持ちする。

不正があった車は、通常走行時に、米国排ガス基準の最大40倍のNOxを出していたという。
VWは、通常走行時の燃費の良さを販売時にアピールしていたとの見方もあるようだ。
 
VWは、過去の試験でのエンジンの動きなどを示すデータに入力しておき、そのデー夕と実際の状態を照合し、「テスト走行」なのか、「通常走行」なのかを判断していたとみられる。
 
自動車は、全地球測位システム(GPs曇)で位置情報を把握し、カーナビに利用している。


車が移動していないのに、加速と減速を繰り返す動きなどをしていた場合に、制御コンピュター排ガス試験だと判断し、浄化機能を高めていたとの報道もある。

 

VWは、不正ソフトの搭載車が世界で約1100万台に上るとしている。
今回の問題は、会社上層部や開発部門を含め、組織ぐるみの違法行為との見方が強い。

 

だとすると、この問題は簡単に済むことはないと思われるのだ。