大きな魚よりも「小さい魚」がいい
いま一家の主が40歳前後のご家庭では子育て真っ最中という人も多いでしょう。
子どもの頃に何を食べたかはその人の一生の食習慣の基盤になるといわれています。
少し前まで、中年になると魚好きが増え、和食中心に戻ってくる傾向が見られたものですが、最近はそうとは言えない状態で、和食に戻る傾向は次第に少ないといいます。
実は現在の中年層の子ども時代には、すでに魚中心の日本の伝統的な食習慣がくずれ始めていたのです。
日本の伝統的な食習慣は世界的に健康によいことが認められ、その習慣を伝えていくのは大人の重要な役割であり、責任だといえるしょう。
大日本水産会の調べによると、毎日のおかずは56%の家庭で「肉料理のほうが多い」と答え、外食では62%が「肉料理」を好んで食べているそうです。
家庭で魚料理を敬遠する理由は、
・調理や後片づけが面倒だから、
・魚くささが残るのがイヤだから、
などが主な理由だといいます。
家族の健康のために、そして子どもに健康によい食習慣を伝えていくためにも、「今日はおサカナよ」という日をもっと増やすようにしたいものです。
最近は、電子レンジで焼き魚ができる便利グッズも出回っています。
こうしたものを活用すればキッチンが魚くさくなることもなく、後片づけも簡単にできます。
魚を食べなさいというと、手間いらずのお刺身や手軽な寿司に手を伸ばす人も多いでしょう。お刺身や寿司はいまや世界のブームになっており、なかでもマクロは人気の中心です。
世界中で食べられるようになったために、マクロの争奪戦が演じられているというニュースを見聞きすることがあるほどです。
マグロの赤身にはDHAが多く含まれ、脂身にはEPAやビタミンA・D・E、血合いにはコレステロールの代謝促進や肝臓強化に効果を発揮するタウリン、貧血を予防する鉄も含まれています。
しかし、栄養的にはその生物の体を丸ごと食べる全体食のほうがすぐれています。
シラスや豆アジなど、頭から尾まで食べると、微量金属などふだんなかなかとれない
栄養分もとることができるからです。
ですが、ふだんの食卓には、大きい魚よりも小さい魚のほうがおすすめです。
また、日本人は縄文時代から海藻を食べており、いまでは日本中で約150種もの
海藻が食用にされているそうです。
ワカメ、ノリ、コンブ、ヒジキ、モスク、寒天など海藻をさまざまに調理してさかんに食べていることも、日本人の食の知恵のすばらしさを示しています。実は世界では海藻はほとんど食べられていないのです。
海藻にはミネラルやビタミンが豊富に含まれ、さらに海藻のネバネバ成分・フコダ
インには抗がん作用があることも知られています。
一日に一回は、意識して海藻を食べることを心がけたいものです。
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