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高齢者向け肺炎球菌ワクチンの話

若い人にはピントと来ないでしょうが、高齢化している日本の、肺炎の話です。

 

日本人の主な死因の3位が肺炎、というのはテレビでたびたび耳にしていたのだが、実際はどうなんだろうと思っていました。

 

たまたま、新聞に肺炎のことが載っていたのでちょっと勉強してみたのです。

 

高齢者向けの肺炎球菌ワクチンが今月(10月)から、予防接種法に基づく定期接種となった。肺炎の発症や重症化を防ぐのが目的で、今年度から2018年度までは、65歳以上の人が5歳刻みで対象となるのだ。
         

肺炎球菌は、鼻や喉の奥に付きやすい細菌で、約90種類の型がある。
肺炎の病原菌として最も多く、約3割を占めるとされる。国内では高齢化により、肺炎で死亡する人が増えているのだ。

現在、日本人の死亡原因として、がん、心臓病に続き3番目に多いのだ

定期接種化により、今月から65歳、70歳、75歳という具合に、65歳以上の人が5歳刻みで定期接種の対象になる。
また、60~64歳でも、心臓や腎臓、呼吸器などに重い障害がある人も対象になるのだ。
 
定期接種で使われるのは、「ニューモバックスNP」というワクチンだ。
約90種類の肺炎球菌のうち、主に肺炎を引き起こす23種類に対応している。

ニューモバックスは国内で1988年に発売され、すでにこれまで自費で接種する任意接種で700万人以上の人が接種している。

国内の高齢者施設で暮らす人を対象にワクチンの効果を調べた研究では、接種を行ったグループは、していないグループに比べて病気の発症率を抑えられたという結果が出ている。

日本医大呼吸ケアクリニック所長の木田厚瑞さんは
「これからの季節は、インフルエンザワクチンとともに接種すると、肺炎の予防効果は高まる」と説明している。

 

一方、小児の定期接種として昨年導入された小児用肺炎球菌ワクチン

「プレペナー13」が今年6月、定期接種65歳以上の高齢者向けに適用拡大され、任意接種の形で接種できるようになったのです。

プレペナー13が対応できる肺炎球菌は13種類である。


ニューモバックスNPの23種類に比べると少ないが、抗体を作る働きはより強いとされる。

オランダで65歳以上の高齢者に行われた調査では、肺炎を予防する効果があった。
アメリカは今夏、高齢者にはまずプレペナー13を接種し、一定期間の後、ニューモバックスNPを接種することを推奨する、としたのだ。


川崎医大川崎病院内科准教授の宮下修行さんは「プレペナー13も定期接種として使えるようになれば、肺炎の予防効果を高められる可能性がある」と期待を寄せる。

ただ、国立病院機構東京病院外来診療部長の永井英明さんは「米国のような連続接種の有効性や安全性は海外のデータに基づくもので、日本人のデータはまだ示されていない」と話している。

 

厚生労働省は今後、専門家委員会を開き、高齢者に対するプレペナー13の有効性や安全性、費用対効果、欧米の状況などについて議論する。定期接種化の是非についても検討する方針だ。


東北大加齢医学研究所教授の渡辺彰さんは「臆測や見込みでなく、日本人のデータを示すなど、科学的根拠に基づいて議論することが大切だ」と話している。

 

一方、国立感染症研究所感染症疫学センター長の大石和徳さんは
「2010年、7種類の肺炎球菌に対応するワクチンを小児に打ち始めると、高齢者の病原菌も、この7種類から別の種類に変わった。今後の原因菌の変化をよくみていく必要がある」

と指摘している。

 

恵まれた日本人は医療の進歩の恩恵に浴し、ますます長生きしていくだろう。長生きもいいけど、ただ長く生きてるだけではつまらない。かっこよく長生きしてもらいたいと思うのだが、どうだろう。

 

関連参照:

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