受精卵を分割してクローン個体をつくる
違う個体なのにまったく同じ遺伝子をもっているものを、クローンといいます。
植物のクローンは身近なものです。
挿し木や挿し葉から大きくなった植物は、もとの植物体から成長したのだから同じ遺伝子をもつクローンである。
また、大腸菌のような単細胞生物は、分裂して増えるので増えた細胞はみな同じ遺伝子をもっている。これもクローンです。
多細胞生物では、分裂を始めたばかりの受精卵が何かのきっかけで複数に分かれるとそれぞれがクローンとなります。
もし、人間の手で受精卵を分ければ、人為的にクローンが生まれることになります。
ですから、たとえば、肉質のいい牛の体から細胞を採取して成長させることができれば、もとの個体とまったく同じ遺伝子が誕生することになる。これを体細胞クローンという。
だが、この体細胞クローンは長い間不可能とされていました。
発生が進んだ動物の細胞からからは全能性が失われているため、個体全身を発生させることはできないとされてきたのだ。
1966年、イギリスのガードンがこの定説をくつがえした。
成功例は少なかったが、体細胞クローンの可能性を示した実験とされています。
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