リンネの花時計
植物の開花時刻に関する体内時計は、どの植物にも同じように働くわけではありません。
たとえば、トケイソウはお昼前に咲き、オオマツヨイグサは夕方に咲く、
というように花の咲く時間は種類によって違います。
これに目をつけ、花を通じて時刻を知る「花時計」を考えたのが18世紀、スエーデンの科学者カール・フォン・リンネです。
リンネの考えた花時計には、短針も長針もありません。ただ、何種類もの花が並んでいるだけでした。
リンネは、複数の花が咲く時間・タイミングのずれを詳しく調べて、咲く時間帯の違う花をいくつも組み合わせた花壇をつくりました。
「いま、赤い花だけが満開だから×時」、「黄色い花だけが満開だから△時」という具合に、はなの種類によって時刻を知ることができると考えたのでした。
実際に時計として使うためにはいろいろと問題があったようですが、発想はなかなかユニークでした。
こののち、これとおなじような発想から、人の体内時計がいま何時なのかを知るための研究が始まったようです。
体内の物質の増減を見ることで、体内時計を知ろうという試みです。
その結果、時計細胞の中で作り出される物質を手がかりにして、簡便に体内時計の時刻を測定する新しい方法が開発されていきました。
関連参照:体内時計はどこにあるのか