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ゆっくりカタツムリのように。そこから世界が広がるはず。

「本来の姿形」をしているものを食べていますか?

スーパーの切り身の魚はわかっても、お頭がついている魚全体の姿を見せると、何の魚かわからない子供が多いと聞きます。

 
また、たとえば、かまぼこを食べるときに「これからお魚の命をいただくんだよ。感謝して食べようね」といわれても、感謝の気持ちはなかなか湧いてこないでしょう。

 

尾頭つきの魚を食べ、おなかをえぐって味わうときに、「残酷」であることとともに感謝の気持ちも抱くのではないでしょうか。

 

かまぼこを板からはがすときに「痛そう」とはなかなか思えないものです、
 
これは、子供に対しての食育という意味だけではありません。


やはり私たちは、食物そのものの姿形のあるものを選ぶのが基本なのではないでしょうか。

 

かまぼこよりは魚を、ハムやウインナーよりはお肉を、加工されれぱされるはど添加されるものも増えていきます。

 

食べるなら、できればその食品全体を食べるように心がけるべきです。

 

ですから、魚なら大きな魚より小さな魚。
マグロの切り身よりはメザシやシラスなど、食卓にのるものがいいのです。

逆にいえば、丸ごと食べられない大きな魚やお肉はたくさん食べないほうがいいがいいといえるでしょう。

 

ひとつのものを丸ごと食べる考え方を、「一物全体」といいます。


ひとつのまとまりのあるものは、それだけでバランスが取れているのです。
ひとつのまとまったものは、何か特別な働きがあるものです。


食物全体をいただくということは、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルといった私たちが知っている五大栄菱素では語りきれない、栄養学などではわからない、そのものの「生命力」が働いているのです。
 
皮つき、根っこつきといっても、もちろん可能な範囲でいいのです。


お米なら玄米、野菜なら葉っぱから根っこまで、魚なら頭から尻尾まで食べることを意識してみませんか。
    

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健康ライフのヒント集

つまらんことでしょうか 

スリムさんの感想

粘膜を強化するレバー

レバーと、聞くと「ウエーっ」という方もいるかも知れませんね。

実は、レバーにはビタミンAと鉄分が多く含まれているのです。

レバーというとすぐに「貧血によい食品」という答えが返ってきそうですが、鉄分だけでなく、ビタミンAも多く含まれているため、疲労を回復するだけではなく、粘膜を強化してくれるのです。
 
粘膜は、目に見えるところでは鼻や喉、見えないところでは胃や腸をはじめ、体のあらゆるところに存在します。

体を守るためには、自分自身の免疫力を高めることと、外から入ってくるものに対して批抗力を持っていることがとても大事です。

理想的なのは、水際で、「体に悪さをするもの」を全部シャットアウトすることです。

風邪もインフルエンザも、鼻の粘膜や喉の粘膜などでシャットアウトできれば、一番いいのです。
 
レバーは、牛にも豚にも鶏にもありますが、一番いいといわれているのは子牛のレバーです。


若い分、肝臓にダメージを受けていないというわけです。

 

鮮度のよい健康なレバーを望むなら、子牛がおすすめです。

 

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つまらんことでしょうか 

スリムさんの感想

「飽食」で日本人は健康を損なった

和食に含まれる成分は体にいい、と思われる。

 

しかし、普段の食事では、食品を単品で食べることはあり得ない。普通は、ごはんと味噌汁、魚や納豆などのおかずを同時に食べ、食後に緑茶をすすり、果物などをデザートとして食べる。さまざまな食品を同時に食べたとき、体の中ではどのような変化が起こるのか? そして、健康有益性はどうか?

 

疑問に思い、調べてみても、食事全体を調べた研究は過去にひとつもない。
 
例えば、ゴボウには食物繊維が、トマトにはリコピンという成分が入っているから体にいいという話は、誰もが聞いたことがあるだろう。

 

確かに、食物繊維は大腸の働きを促すため便秘予防になるし、リコピンは悪玉コレステロールを減らし、血液をサラサラにするため代謝をよくする。

 

しかし、成分だけを研究しても、食事全体としての効果はわからない。
トマトとゴボウを一緒に食べたら体にいいのか? それにごはんが付いたらどうなのか?
納豆も食べるとどうか?

我々日本人が実際に食べている食事が、果たして身体にいいのか?


それが食べ物の健康に及ぼす影響の、もっとも正しい評価ではないのかと東北大学の研究チームは考えたのだ。


そして研究チームがまず行ったのは、1999年の日本食とアメリカ食を比べる実験である。

 

パン、ステーキ、フライドポテトなどのアメリカ食より、白米、煮物、味噌汁などの和食のほうが体にいいというイメージがある。それが本当かどうか?

データを元に、それぞれ1週間分、計21食の献立を作り、実際に調理し、それをすべて混ぜ、凍結粉砕し、3週間マウスにエサとして与えた。
  
その結果、和食はアメリカ食に比べて、非常に健康有益性が高いことがわかった。
和食は、体にストレスを与えない食事である。

 

そのため、代謝が活発になって、やせやすい体質になる。逆に、アメリカ食は体にストレスを与え、代謝が落ちる。つまり、太りやすくなってしまうのだ。

 

研究チームは食事の健康有益性の評価には、DNAマイクロアレイという手法を用いた。DNAマイクロアレイとは、遺伝子の発現量、つまり、活性化レベルを測定するものだ。DNAマイクロアレイを使うと、人では約4万、マウスでは約3万の遺伝子をいっぺんに測ることが出来る。

遺伝子の活性化の度合いを見ると、食べ物によって、体がどう変化したかがわかるのだ。

 
マウスの遺伝子を比較した結果、アメリカ食を与えたマウスは、和食をエサにしたマウスに比べ、ストレス性が高く、于不ルギー代謝、糖質・脂質代謝が低いことがわかった。
 
人間もマウスも、何らかのストレスを感じると、細胞の中で、ある特定の遺伝子が活性化する。つまり、アメリカ食を食べただけで、体はストレスを感じてしまうのだ。
 
この結果は、ある程度予想していたことだった。フライドチキンやハンバーガーと、肉じやがやヒジキの煮物を比べて、前者のほうが「体に優しい」と思う人はいないだろう。
 
遺伝子レベルで見ても、和食のほうが、ストレスが少ないことがわかったのだ。

ストレスとは、内臓が「無理をしてがんばっている状態」だ。
 
心や体と同じように、内臓にも強いストレスが加わると、健康が損なわれる。
 
アメリカ食を食べると、肝臓や腸などの消化器官は、一生懸命がんばって、消化・吸収しなければならない。「がんばる」ことは、臓器にとって、大きなストレスということだ。


一方、和食は、臓器ががんばらなくても、すんなりと消化・吸収ができる。体が無理をしなくても済む。つまり、ストレスが少ないのだ。

 

健康のためには、内臓に無理をさせないことが、何より大事なのである。
ただし、ストレスと言っても、今の能力で処理できるか、限度を超えて負担になってしまうかが問題だ。許容範囲を超えなければ、消化に時間がかかって、内臓がたくさん働いたほうがよいのだ。
 
しかし、限度を超えるような食生活が続くと、健康は損なわれる。
食べすぎで胃がもたれたり、お酒を飲みすぎて二目酔いになったりした経験は、ほとんどの人があるだろう。それは食べ物やアルコールが許容範囲を超えているという、内臓からの警告にほかならない。
 

内臓の能力は、民族や人種によっても異なる。日本人は、古来、あまり肉を食べない民族だった。そのため、ずっと肉を食べ続けると、体にとって大きなストレスになってしまう。
 
過剰な肉食が日本人の体にとってストレスになる。
 
世界には、さまざまな食文化がある。例えば、インド人は1年365日、カレーしか食べ
ない。アメリカでは、日本人の2.5倍以上も肉を食べる。カナダ北部に住むイヌイットの主食は、生のアザラシだ。人間の体は長い歳月をかけて、その土地の食文化に即した内臓の機能を作り上げてきたのである。
 
いくら日本食が体にいいと言っても、外国人がもし毎日和食を食べたら、ストレスになってしまうだろう。
 
今までとまったく違う食生活に替えることは、体にとって大きなストレスなのだ。
 
では、1975年型の食事はどうだろう。それは許容範囲の中で、従来の和食を改善した
ものだ。

 

80年代も半ばを過ぎると、飽食の時代を迎えて限度を超え、日本人は食によって健康を損なってしまったのだ。

 

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老化。焦げ・枯れ・錆びと

シニアからの栄養学

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つまらんことでしょうか

 

日系移民の寿命が縮んだのは?

「和食」は、世界一の健康長寿食である。

これは私たち日本人が、案外見落としていることなのである。

 

海外の研究者は、私たち日本人が思う以上に強い関心を日本の食「和食」に抱いている。

 

それは鮨が世界中でブームだというような表層的なことではない。長寿や健康といった医療面を通してのことである。

 

しかしここでいう「和食」とは、ハレの食事ではなく、我々日本人が、普段家庭で食べているちょっと西洋化した「和食」のことである。

 

日本人の平均寿命がはじめて世界1位を記録したのは、昭和54年(1979年)である。

以来、東日本大震災で死者が多数出た2011年を除き、ずっと1位である。
 
実は、和食の持つ健康長寿効果に、いち早く目を付けたのは、我々日本人ではなく、アメリカの研究者たちだった。
 
調査対象にしたのは、日系ハワイ移民である(ニホンサン研究、65年に調査開始)。


ハワイ移民1世は、日本にいる頃と変わらない食事(和食)を食べていたため、寿命も日本に住む日本人と変わらず、がんや心筋梗塞にかかる割合も同じだった。


しかし、移民2世になると、それらの病気の発症率が上がり、寿命が2~3年短くなってしまった。移民3世では、さらに短命になった。
 
1世と、2世3世の生活様式を比較しても、違いがあったのは食事だけだった。1世は和食を食べていたが、2世、3世と代が下るにつれて、ハワイの食習慣を取り入れていったのだ。


これはちょうど、今日本で問題になっている「食の欧米化」が急速に進んだ状態と同じである。

 

日系ハワイ移民は、現地の食事が原因で、がんや心筋梗塞にかかりやすくなり、寿命が短くなってしまったのだ。
 
この研究を発端に、日本人の食事は健康有益性が高いのではないかと考えられ、世界中で和食の研究が始まったのである。


まず研究者たちが注目したのは、和食に使用される食材の成分だった。
和食には野菜や豆類など、植物性の食品が多い。肉より魚介類をたくさん食べる。納豆や味噌の発酵食品、海藻、緑茶など、体の調子を整える食品も豊富だ。


それらに含まれる成分の分析により、「和食は低脂肪で、低カロリー」ということが科学的に実証されたのである。
 
研究は学会でも注目を集め、和食の健康効果が世界中で知られるようになったのである。

 

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健康ライフのヒント集 

つまらんことでしょうか

スリムさんの感想




二度感じられる「UMAMI」

池田菊苗博士がダシのうま味成分の代表格であるグルタミン酸を発見したのは、100年以上前の1908年。

 

だが、欧米でその研究成果は長い間、受け入れられなかったという。
  
世界の研究者が「UMAMI」を最終的に受け入れるようになったのは、2000年代に入ってからだという。それは、 


1>2000年~02年にかけて、米国の研究チームが、舌の表面の「味蕾」という器官にグルタミン酸を検知するセンサーがあることを突き止めた。

2>06年以降、味の素などの研究者たちが、胃や腸でも、グルタミン酸に反応するセンサーを見つけた。
 
この「舌の表面」と「胃や腸」の2段構えのセンサーは、何を意味しているのでしょうか?
 
グルタミン酸を「鍵」とすると、センサーはちょうど「鍵穴」のような関係・構造なのだそうだ。


口に入ったグルタミン酸が舌のセンサーにはまると、脳に信号が送られ、唾液の分泌など消化に向けた準備が始まる。
 
グルタミン酸が胃腸のセンサーに到達すると、脳はその信号を受けて、今度は消化液を出すように命令する。

 

専門家によると、
グルタミン酸は、人体にとって重要な栄養分。2段構えのセンサーは、効率よく消化・吸収する上でとても重要」とのことである。
 
もっとも、うま味の研究が進んでも、食文化の異なる海外でダシの素晴らしさを伝えるのはまだまだ簡単ではないようだ。
 
ニューヨーク市の日本料理店の総料理長は「10年前、米国に渡ったばかりの頃は、懐石料理のお椀を出しても、『お湯か』という顔で見つめられ、口をつけてもらえなかった」と話す。


炊き込みご飯は「味が薄い」と、目の前で大量のしょうゆをかけられてしまったといいます。


総料理長は、ダシに少しずつ慣れてもらう工夫を考えた。最初は、米国で一般的な鶏のスープにペースト状の野菜を混ぜて、ダシの代わりにした。

その後、昆布と同じようにグルタミン酸を多く含むトマトから、一晩かけて「トマトウォーター」を搾って使ったりしている。

 

辻調理師専門学校の辻芳樹校長は、和食を広めるには
「日本の伝統的な調理技術や考え方を継承しながらも、日々、進化させることが大切だ」と指摘している。まだまだ、長い時間が必要のようだ。 

 

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健康ライフのヒント集 

つまらんことでしょうか

スリムさんの感想 

 

人はほかの命を借りて生きる

好きだから、時間がないからといって、同じものばかり食べる人がいます。

 
食の情報をカラダに取り込むという観点からも、いろいろと組み合わせてたくさんの種類を食べるのがよいと思います。

 

ひとつの食べ物には決まった消化、分解、吸収、合成の回路しかありません。

 

だから、同じ物ばかりを食べていたら、いつも同じ回路しか通らず、カラダの中では同じ化学反応しか起こらないのです。

 

違う食材が人つてきたら、それだけ多くの通り道ができ、いろいろ異なったカラダの動きができるようになります。
 
それだけでなく、同じものばかり食べていたら、同じ栄養素しかカラダの中に取り込むことができません。

 

人間は食物連鎖の最終のところにいますから、いろいろなものを食べてカラダの中に入れることが絶対に必要なのです。

 

いろいろな生き物の力を借りてはじめて人間の命は成り立っていることを理解して、バランスよく食べることを心がけましょう。
 
いろいろなものをバランスよく食べている人と、同じものばかり食べている人とでは、食べ物でつくられているカラダに差が出るのは当然なのです。

 

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つまらんことでしょうか

スリムさんの感想 

 

直線上を真っ直ぐ歩けない?

直線上を真っ直ぐ歩けない、ということは運動機能の低下というよりも、中枢神経系のトラブルである可能性が考えられます。

 

例えば、過去に罹患した脳梗塞の後遺症である可能性がありますし、パーキンソン病になると運動機能障害が現れます。

 

こういう変化が急に生じたら、重大疾患の始まりである可能性も否定できません。
 

重大疾患とはいっても、回復の見込みが低いものばかりではなく、パーキンソン病
なら医薬品である程度は症状をコントロールできます。
 

ただし、直線上を真っ直ぐ歩くことは、学校生活を遠い昔に終えた世代には、日常
生活であまり求められない動作かもしれませんね。

 

これが、急にそうなったならば急ぎ病院へ、ということになります。

 

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「加齢」との付き合い方 
老化。焦げ・枯れ・錆びと